ケイ素は構造的には絶縁体であるが、高温では熱活性によってこれらの一部が切れ、自由に動くことができる電子と正孔ができ、わずかながら電気伝導性を示す。これが半導体と呼ばれる所以である。しかしながら、純粋なシリコンは真性半導体と呼ばれ、工業的な利用価値は低い。工業用としてはシリコンに3価あるいは5価の元素を意識的に添加した半導体が使われる。
次の画像はシリコンの大型単結晶をスライスしたウェハー（wafer）である。
近代科学資料館で撮影
これの上に様々な電気回路が形成されるのである。いかに良質で、大型の単結晶基板を作成できるのかという技術が競争になっている。
[補講]シリコンは酸素と親和性が高いので、純度の高いシリコン単体を合成するのが昔は非常に困難であった。日本の企業はこの問題を解決して、現在のような単結晶を生成できるようになったのである。
