目次 †
言語ゲーム †
- ＝（英語）"language game"
- ＝（独語）"Sprachspiel"
- 後期のヴィトゲンシュタインの中心思想。
- 前期のヴィトゲンシュタインは、『論考』の「言語と世界とは、一対一に対応する」という写像理論でもって、言語が意味を持つことを根拠づけようとした。
- 後期のヴィトゲンシュタインは、写像理論でなしに、言語ゲームをその根拠として発見した。
- 一言で定義すると、「規則（ルール）に従った、人々の振る舞い」である。
- 言語ゲームとは、振る舞いの一致のことである。
言語ゲーム vs. 写像理論 †
- 写像理論は「言語と世界は対応している」と最初から想定する。
- それに対して、言語ゲームは「言葉が世界を指示して意味を持つことができるのは、人々がそのようにふるまうからである。人々がどうふるまうかは、事情による。したがって、言葉が意味を持つかどうか（意味を持ったとして、どういう意味を持つか）も、事情による。つまり、無条件ではなく、条件付きである」とする。
言語ゲームと価値相対主義 †
- 言語ゲームの考え方だと、「どんな言語ゲームも、外的視点から眺めることができ、その外に出ることができる」（相対主義の主張）は、必ずもうひとつの「人間は人間であるために必ずどれかの言語ゲームに属しているはずだから、すべての言語ゲームの外に出ることは不可能である」（絶対主義の主張）とペアになっている。
- 後者は、懐疑論に対する戦いの中で、ヴィトゲンシュタインがはっきりさせたことである。
- 以上より、言語ゲームの考え方は、価値相対主義ではない。
参考文献 †
