目次 †
土壌 †
- 土とは異なる。
- 土は岩石が風化して、細分化した無機質なものである。
- 土が母材だが、有機物も多く含む。
- 様々な土壌生物が活動する。
- 動物の死骸や枯葉などは土壌生物（分解者）の働きで、植物の育成に必要な窒素・リン・カリウムなどの無機質に分類される。
- 植物の育成基盤である。
- 陸地を覆う森は、樹木の根をしっかりと大地を支える。このとき厚い落ち葉に覆われた土壌は、雨水を蓄える「緑のダム」となる。
- 豊かな森林の土壌には、土1g中に藻類10万個と、細菌1億個もの色々な微生物が生息している。
- 雨水を地下に浸透させて、地下水資源をため込み、干害・洪水・土砂崩れなどの自然災害を緩和する。
- 土壌は何万年もかかって岩石が風化してできたものである。
- 黄河は何年かに一度氾濫して肥沃な土を下流に運搬する。
- ミシシッピー河は肥沃な土を海に流してしまうので、洪水の後には不毛な下層次が露出する。
- 人口増に伴う食糧の必要から山地を開墾して段々畑が作られる。
- このような斜面に造成された農地は大雨が降ると土石流が起こりやすく容易に破壊される。
- また焼畑農業などで森林を除去してしまうと、風によって土砂が飛ばされ、蒸発量が多くなるので乾燥し、これも土壌喪失の原因となる。
- 過大な農業生産を望んで化学肥料を過度に使用すると土壌中の有機物質が減少し、いわゆる地力が減退する。そのため、植物の育成が阻害されると結局は土壌の減少の原因人ある。
- また、不適当な灌漑が行われると、水中に溶けているカリウム・ナトリウムなどの塩類が水の蒸発した後に残留し、植物の生育を妨げる。
- 砂漠の中のオアシスの周辺にはこのような塩類が堆積して白くなっていることがある。
- 日本は火山国である。平地面積の約70%が火山灰土である。
- 従来はこの土は水持ちの悪い土だといわれてきたが、技術の進歩で農業用地としても使われるようになった。
- 東南アジアの土は赤茶色である。
- なぜならば、この地域は風化作用が強く、Na,K,Ca,Mg,Siは水に溶け、残ったAl,Feが酸化されたためである。
- 土壌の養分を保持する役目を持つのが、粘土腐食複合体である。
- ミミズは土を食べてそれを排泄する。
- その養分保持作用は、カリウム、リン酸などのイオンの吸着作用による。
土壌生物の種類 †
- 植物
- 動物
- ネズミ
- モグラ
- トカゲ
- 蛇
- 昆虫の幼虫など
- ミミズ
- ムカデ
- ヤスデ
- ワラジムシ
- ヨコエビ
- トビムシ
- ダニ
- 線虫
- ヒル
- ワムシ
- ウズムシ
- 蜘蛛
- 原生動物
- 微生物
- 藻類
- 糸状菌
- 放線菌
- 細菌
- 窒素固定細菌
- 根粒菌
- アンモニア酸化菌
- 硫酸還元菌
- ウイルス
土の生物の関与の仕方 †
ミミズが枯れ草を食べることから、次々に起こる生物の流れと栄養の流れがもたらされる。さらに、ミミズは動き回り孔を開けることによって、生物の世界を作り上げ、黄金の土であるミミズ糞や栄養豊富な尿、そして死体を提供し撒布する。
このようなミミズの生存活動が、土壌圏の3相・3性質の内容を決定し、3機能を高めている。
- まず枯れ草（すでにカビなど微生物が取りついていることもある）をミミズが食べ、その枯れ草は腸内の微生物・酵素の働きを受け、攪拌され細かくされ、糞として地表や孔に出される。ミミズ糞に含まれる栄養の一部は溶け出して、植物根に吸収される。
- 次にミミズ糞に小さな動物（ヒメミミズ、トビムシ、ササラダニ）が集まる。小さな動物は、糞内の小さな隙間に棲み、細かくされた枯れ葉、増殖した微生物を食べ、さらに小さな糞として出される。糞に含まれる栄養の一部は、溶け出して使われる。
- 小さな動物による小さな糞に微生物が関与し、植物根の吸収可能な栄養体となる。
土壌の生成 †
ヨーロッパの城はすべて石造りである。
1：城壁にゴミが溜まると、そこに苔が生える。
2：苔の分泌物が石を溶解する。
3：そのうち風で運ばれた高等植物の種子が苔の上に付着して根をおろす。
4：雨水が割れ目に浸透して温度が下がると膨張し、岩を砕く。
5：植物の有機物が混じった土壌ができる。
土作り †
腐植によって土壌生物を増やす †
- 森林の表土や落ち葉が堆積している場所の下には、落ち葉が分解されて真っ黒になったものが出てくる。
- これは腐植【ふしょく】という。
- 中には土壌生物や微生物が無数にいる。
- 竹林の黒い土や、土手の草をよけると出てくる柔らかい土も同様である。
- 腐植をおおさじ2杯ほどすくって、乾燥しないようにポリ袋に入れて持ち帰り、コンテナの土に深さ10cm以上の穴を開けて丁寧に入れて、土で覆う。こうすると、ボカシ肥をエネルギー源として、土壌生物が増えていき、1ヵ月するとコンテナいっぱいに広がる。
ボカシ肥を作る †
- 最も手に入りやすい有機質肥料は、油かすと米ぬかである。
- 生のままで土に与えると、腐って強い臭いを発する。そのため、発酵させてから使う。
- 発酵させた肥料のことをボカシ肥という。
- ボカシ肥を使うと臭いがなくなるだけでなく、分解が速やかになるので養分がうまく野菜に供給されるようになる。また、微生物を活性化させるので、土壌改良にもなる。
..身近なものを肥料として使う
- 米のとぎ汁や牛乳パックに少し残った牛乳などが有効である。
- 野菜に与える際には、朝ではなく夕方にする。
参考文献 †
- 『改定版テキスト対応! 資格取得スピード王が教えるeco検定 １ヵ月合格術』
- 『改定版 eco検定 公式テキスト』
- 『人類にとって重要な生きもの ミミズの話』
- 『ミミズのはたらき』
- 『環境科学読本』
- 『有機・無農薬 マンガでわかるコンテナ菜園の裏ワザ』
- 『元素はすべての元祖です』
