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WAN

目次 †

WAN †

• WANは国へと通信事業の登録・届け出を行った電気通信事業者が構築・運用している。

WAN回線のサービスの枠組み †

• 専用線
  • 自社専用のネットワークを構築できる。
  • 構成はポイントツーポイント接続である。
  • 物理的に専用の回線であるため、高品質で信頼性が高く、会社としてまずはセキュリティ最優先の場合に適している。
• 通信事業者（キャリア）が提供する教養の通信網
  • 通信事業者が構築し、その通信事業者だけに閉じられた通信網である。
  • 多拠点間通信に適している。
  • 代表的なものに、IP-VPN網や広域Ethernet網がある。

WAN接続の種類 †

専用回線 †

• ＝専用線
• 接続時間が長く、大容量トラフィックを扱うような大規模サイト間通信で使用する。
• 常時接続のため帯域幅は保証されるが、距離が長いほど高コストになるため、サイト間の距離が短い場合にコスト効果が高い。
• DSU/CSU経由で通信事業者のネットワークに接続する。

回線交換 †

• 小規模サイトやSOHO、テレコミュータのようにユーザーア数やネットワークトラフィックが少ない通信で使用される。
• ダイヤルアップ接続のため低コストになる。
  • ISDNの場合、アナログ回線よりも高速に接続（コールセットアップ）される。
• 専用線のバックアップ回線としても使用される。

パケット交換 †

• 仮想回線（VC：Virtual Circuit）によるエンドツーエンドの常時接続を専用線よりも安価に実現し、複数の支点サイトへ同時に接続できる。
• DSU/CSUまたは内蔵型DSUを経由して接続する。
• サイト間の距離が地理的に遠い場合に適している。

WAN接続のインタフェースと回線 †

主なWANサイトの種類 †

• セントラルサイト
  • ＝中央サイト
  • 本社や主要オフィスなどの大規模な企業のサイト（拠点）を表す。
• リモートサイト
  • ＝ブランチオフィス
  • ＝リモートオフィス
  • 地方の支店や営業所などの中規模の企業サイトを表す。
• SOHOサイト
  • モバイルユーザーやSOHO環境、または複数のオフィスなどの小規模サイトを表す。

WANサイトとWANサービス †

WANの冗長化 †

　中・大規模拠点においてWAN側が冗長化されるということは、WANへの出口も複数存在するということである。

　ネットワークの構成を考えると、次の2つが考えられる。

• 複数のルーターでそれぞれWAN回線を保有する構成
• 1つのルーターで複数のWAN回線を保有する構成

複数のルーターでそれぞれWAN回線を保有する構成 †

• ルーターの構成を、アクティブ系とスタンバイ系、両方で運用する。
• 回線もそれぞれ持つ。
  • かつ別の通信事業会社（キャリア）の回線とする。
• ルーターはまったく同一の機種でバージョンも同じものとするが、WAN回線を別にする。
  • 機器を同じに揃えるのは、ソフトウェア上の相性もあるので、安定性を考慮してのことである。
  • 一方、WAN回線については別である。万が一、通信事業者の局舎自体に障害が起きたときに、同一回線であっては冗長化が意味を成さないからである。
    • これを回避するためにも、信頼性という面で、WAN回線は別々の通信事業者から借りるのが鉄則である。また、もう一方の回線を別の通信事業者にすれば、費用交渉でも有利である。
• この構成であれば、実際に稼働している回線やルーター自体に障害が発生しても、常時スタンバイさせている予備のルーターを使った経路へ自動的に切り替わり、処理を引き継ぐことができる。
  • VRRPによって、この動作を実現化する。
  • 信頼性を重要課題とする理想的な構成である。
• 導入機器が増え、構成も煩雑化するのがデメリットである。
• 最近ではコストを意識してか、バックアップ回線をインターネットVPNにするのが主流である。

1つのルーターで複数のWAN回線を保有する構成 †

• 複数のルーターでそれぞれWAN回線を保有する構成よりも、信頼性の面において少し劣る。
  • ただし、費用面で若干の優位性がある。
    • なぜならば構成するネットワーク機器が少なくなるからである。
• この構成では、WAN回線自体に障害が発生しても、バックアップルートの回線で継続して通信ができる。
  • ただし、ルーター自体に障害が発生するとすべての通信ができなくなるという条件が付く。
• この構成とするかどうかは、ネットワーク障害に対するリスクをどこまで許容できるかによる。

参考文献 †

• 『CCNA速習ナビゲータ　CCNA(640-801J)編』
• 『ネットワーク超入門講座　第2版』